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ドラクエ映画のラストにファンが納得できない5つの理由【ネタバレあり】

2019年8月2日に公開された映画『ドラゴンクエスト YOUR STORY』のラストに納得できないファンが大勢いることで、映画サイトのレビューは軒並み低評価、Twitterではネガティブなコメントが溢れるなど残念な結果になっていますね。。

私自身、ドラクエは小さい頃からやっていて大好きなので今回の映画ではその世界観や懐かしさに浸りたいと思っていました。そのため、ネタバレにはなりますがラストのVR展開で一気に現実に戻されてしまい残念だったなぁと感じました。

もっと細かく説明すると、ドラクエの世界観を表現するために原作の重要のポイントをきちんと入れ込みつつも、ラストで新要素を取り入れてメッセージ性を強めようと挑戦して、惜しくも台無しにしてしまったという印象の映画なんですよね。笑

ただ、批判を書くだけだと映画のネガティブレビューで終わってしまうので、今回のドラクエ映画でファンの方が納得できなかったポイントをいくつか取り上げ、その上で「どうやったら良い作品になるのか?」ということを考えてみました。

ちなみに、ゲームの映画化やアニメの実写化では、結果的に失敗に終わるケースってすごく多いですよね。ドラクエに限らず、ファンの期待を裏切るパターンってある程度似ていると思うので、次回作ではその地雷は踏まないで欲しいなという祈りを込めて書いていきたいと思います。

ここから先はネタバレも含みますので、まだドラクエの映画を観てない方は読まないようにしてくださいね…!

『ドラゴンクエスト YOUR STORY』 ラストのネタバレ


ドラクエ映画でファンが納得できなかったポイントを紹介する前に、ラストのネタバレを簡単に説明したいと思います。

【『ドラゴンクエスト YOUR STORY』 ラストのネタバレ】
主人公とその息子(天空の勇者)はマスタードラゴンの背中に乗って、ゲマのいる塔へと向かいます。そこでビアンカを石化から解放し、3人+ゲレゲレ+スラリンでゲマに挑みます。
 
しかし、ゲマの手下である大量のモンスターに苦戦し、なかなかゲマまでたどり着くことができません。そこにヘンリー王子が兵士たちと助けに来てくれたおかげで、主人公はやっとゲマに戦いを挑むことができます。
 
ゲマに『天空の勇者じゃないのに私に勝てると思っているのか?』と煽られつつ、序盤は劣勢となるものの、世界を守るため、父パパスのかたきを討つため、必死にゲマを後一歩のところまで追い詰めます。(ここのシーンは非常に熱いものがあります…!)
 
そこで、ゲマに巻き返されそうになるものの息子(天空の勇者)の加勢でゲマを倒すことに成功します。しかし、ゲマが亡くなる直前にミルドラース復活の呪文を唱えてしまいます。
 
すると、ドラクエ世界の色彩や造形が崩れていき、画面がフリーズしてVRランドに切り替わります。
 
実は主人公は現実世界の大人であり、子どもの時にプレーしていたドラクエのVRゲームを主人公役で体験していたのでした。(ゲーム中は現実世界の記憶はなくなるという設定)
 
しかし、そのVRゲームにはウイルスが仕込まれており、ミルドラースとして人の姿をしたウイルスが出てきたのです。(この間は主人公とウイルス以外の登場人物は消滅)
 
ウイルスは天才ハッカーによって作られ、主人公(社会人)のようにゲームにリアルを求める類の人間が嫌いなため、彼らが好きそうなゲーム(ドラクエ5)にウイルスを仕込んでいたのです。そして、ゲームの世界を虚構だと言い、ドラクエの世界全てを無に返そうしようとします。
 
しかし、主人公は
「ドラクエはたかがゲームじゃない!みんな一緒に冒険してきた大切な仲間なんだ!絶対に壊させない」
と、ウイルスを倒そうとします。
 
そこで、実はスラリンがアンチウイルスソフトだったことがわかり、スラリンが剣(ロトの剣?)に変わりウイルスを撃破します。すると、ドラクエの世界に画面が戻り、ゲマとミルドラース(ウイルス)が倒されたため世界に平和が訪れたのでした。 

上記ネタバレの通り、映画のラストを
 
『ミルドラースは実はウイルスでした。ドラクエ5の世界も本当はVRゲームでした』
 
というオチにしてしまったことがこの映画の評価を下げている原因となります。

ドラクエの映画に納得できない5つの理由

ここからは映画『ドラゴンクエスト YOUR STORY』のラストを中心に、ドラクエ5のファンとして納得できなかったポイントを書いていきたいと思います。

ただ、誤解を避けるために言いますと個人的にはラスト以外はドラクエの世界観を上手く表現できていて、懐かしい気持ちにさせてくれる良い映画だと思っています…!

だからこそ、次回はより良い作品になって欲しいので納得できなかったポイントを考えていきたいと思います。

ドラクエ5という物語のラストを変えてしまっている

ドラクエ5には親子3代かけてやっと敵のボスキャラであるゲマやミルドラースを倒す、というラストがあるにもかかわらず、この映画ではミルドラースがウイルスだったというオチに変わっています。

多くのドラクエファンは映画にセンセーショナルな展開を期待していたわけではなく、色褪せない王道ストーリーや親子3代かけて魔王を倒す熱い展開を、もう一度綺麗な映像で観たかったという気持ちが強かったのではないでしょうか。

しかし、映画のラストがドラクエとは全く関係ない展開に変わっていて残念に思った人が多かったみたいですね。ゲームの映画化、アニメの実写化などは世界観を表現しきれず失敗に終わるケースも多いですよね。

しかし、同じ映画でも近年のディズニー実写化は安定して上手くいっているように思います。

何故なのか?と考えてみたところ、ディズニーの実写化では『ストーリのラストを変えない』ということを守っているからではないかと思いました。

例えば、2019年6月に公開された実写映画『アラジン』では時代性を反映してか、ジャスミン(王女)が強い女性のリーダとして描かれるなど原作と異なるシーンもありましたが、ストーリーの重要な箇所やラストは原作に沿った展開でした。

このように、映画化では時代や表現の仕方によって見せ方が多少変わることがあっても、原作のラストを変えてはいけないというのは重要なポイントではないでしょうか。

世界観の崩壊

ラストでは原作のドラクエよりも映画として監督が伝えたいメッセージが優先されているように感じました。

原作が別にある映画では

「原作の世界観と、監督が描きたい世界観を抽象化した世界を作る」

ということが非常に重要です。

ただ、原作を忠実に再現するだけではどこか物足りなさを感じてしまいますし、監督の世界観を描きすぎると全く別の作品になってしまいます。

今回の映画は世界観を抽象化するというよりは、ラスト以外ではドラクエの世界観を強く優先してファンが好きそうなシーンを特に描写しているように感じました。そのため、途中まではファンの方も非常に楽しめる内容だったと思います…!

しかし、ラストに思い切り監督の世界観を投入しているため、ドラクエの世界観とかけ離れてしまい、多くの人が違和感を感じる結果となりました。笑

『ドラクエはたかがゲームではない!一緒に旅した仲間は大切な仲間なんだ』

という監督のメッセージは本当に素敵だと思いますが、それを伝えるためにドラクエの世界観を崩してしまったのは非常に残念ですね。

音楽や武器などの統一感が弱い

ラストでウイルスを倒す際にロトの剣が出てきたり、音楽がドラクエ5以外のシリーズのものだったりしたため、ドラクエに詳しい人には違和感があったかもしれません。

映画では音楽や武器などで多少統一感がなかった点を気にされてたファンの方もいるようです。(ドラクエではロトシリーズと天空シリーズの前後関係が決まっているため、それが混ざることは基本的にはないです。)

ただ、個人的には有名なサントラが流れることで、よりドラクエ感が出ていてプラスな面もあったと思っています…!

映画の宣伝とのギャップ

事前の宣伝内容では忠実にドラクエを再現しているような描写だったため、ラストのセンセーショナルな展開に裏切られたと感じる人も多かったと思います。
 
事前の映画宣伝や監督インタビューではドラクエ5の有名シーン(結婚式やゲマVSパパスなど)について触れられており、何となくですが“ファンの期待に沿った内容になっている”と多くの人が思ったのではないでしょうか。

逆に「今回の映画はドラクエの見方を大きく変える作品になります!」くらい事前に言っていれば、まだ受け入れられた方も多かったと思います。

これって映画に限ったことではなく、実物と違うイメージで商品を広めてしまうと期待との乖離が大きくクレームになりやすいという良い事例だと思います。

1番の見どころ「親子3代のストーリー」が薄い

ドラクエ5は親子3代で魔王を倒すまでのストーリーが1番の見どころです。

尊敬する父パパスの志を受け継ぎ、天空の勇者を探す主人公。そして、主人公が結婚して子どもをもうけ、家庭を築きその息子が天空の勇者となり主人公とともに魔王を倒す。

このように他のドラクエシリーズにはあまり出てこない、親子3代の家族愛がテーマになっている作品なのです…!ドラクエを知らない人でも感動できるような普遍的なテーマなはずなのに、時間の関係かあまり深堀りされていなかったことは残念に思った人も多いのではないかと思います。

まとめ

この記事では映画『ドラゴンクエスト YOUR STORY』で納得できないファンが多そうな箇所をまとめました。

最後のシーン以外はドラクエの懐かしさに浸れる良い映画ですが、

・原作のラストを変更しない
・原作の世界観と監督の世界観を抽象化する
・宣伝内容と実物を乖離させない

というところが変わればより良い映画になるのではと感じました。

また、やっぱり原作のドラクエ5が1番面白いのでまだプレーしていない方は是非これを機会にやってみみてくださいね!

YOTA
YOTA

僕は現在、ブログ運営をきっかけに独立してPC1台で自由に働いています。でも、それまでは世間の常識通り少しでも良い会社に入って安定を目指す人生でした。

でも、いつしか「働く時間も収入も全て決められた人生」に報われなさを感じるようになっていきました。この生活は本当に幸せなのだろうか、と。

そんな人生を変えるために独立し、今はブログで得たWEB集客やマーケティングの知識を活かして個人でコンサルとして仕事をしています。

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